気管支喘息/COPD

咳が止まらない?

咳が止まらない時、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、上気道感染症、アレルギー反応、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、胃食道逆流症などが考えられます。症状の詳細な評価や身体検査、肺機能検査、呼吸テストなどを含む適切な検査が行われることで、正確な診断が可能となります。当院では、総合内科専門医が気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった治療を行っています。咳が続く場合は、お早めにご相談ください。

乾いた咳が続くが熱はない時に考えられること

乾いた咳が続くが熱はない時に考えられることとしては、風邪やインフルエンザなどの上気道感染症のほか、花粉症などのアレルギー性鼻炎、慢性気管支炎などが考えらえます。

気管支喘息とは

気管支喘息とは気管支に慢性的な炎症が起こっていて、ちょっとした刺激で気管支の狭窄など過敏な反応を示す状態です。連続する咳、痰、呼吸困難、のどがゼイゼイ・ヒューヒューという音を立てる喘鳴が主な症状です。

気管支喘息の原因

アレルゲンによって生じ、原因物質は、有害物質、ダニ・カビ・ホコリなどのハウスダスト、スギなどの花粉、ペットのフケや唾液に含まれるタンパク質、アルコール・タバコ、薬など多岐に渡ります。原因物質を把握し、環境を整えることも治療では重要になります。

気管支喘息の診断

喘息発作を起こす時間帯は夜中や明け方が多く、その時間帯に咳や喘鳴を生じやすい傾向があります。急激な気温変化も発作につながりやすく、季節の変わり目にも喘息発作を起こしやすくなります。
診察では、症状の内容、起こる時間帯やきっかけ、はじめて起こった時期と症状の変化、小児喘息・アレルギーなどの有無、生活環境やペット、本人やご家族の喫煙歴、ライフスタイルなどについてうかがって総合的に判断し、診断しています。

気管支喘息の治療

気道の狭窄や炎症の状態に合わせた治療を行うために、喘息の重症度を調べる検査を行います。炎症が強い場合には炎症を鎮める治療を行い、気管支拡張薬を処方して喘息発作の症状を緩和させ、吸入ステロイド薬で炎症や狭窄を予防します。適切な治療を行うことで症状のない状態を継続させていきます。
また、アレルゲンによって喘息発作を起こしやすい場合には、原因となるアレルゲンにできるだけさらされない環境をつくるための具体的なアドバイスもしています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

気管支の炎症や肺胞の破壊による肺機能低下によって咳や呼吸困難などを起こす進行性の慢性疾患です。慢性閉塞性肺疾患(COPD/ Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、日本で500万人を超える方が発症していると考えられています。肺の生活習慣病と呼ばれており、放置していると進行してしまいますが、適切な治療を受けている方はまだ少なく、死亡者数が増加傾向にあることから注意が必要な疾患です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の原因・症状

主な原因は喫煙です。受動喫煙でも発症することがあります。他にも粉塵や大気汚染など有害物質、遺伝、乳幼児期の呼吸器感染症なども発症原因とされています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、有害物質を吸引することで気管支の炎症が起き、腫れや痰で気道が狭窄して空気が通りにくくなります。さらに、肺胞が破壊され、充分な酸素を取り込めなくなります。低下した肺の機能を取り戻すことはできませんので、早期発見し、適切な治療を受けることが重要です。また、感染症の重症化リスクも上がってしまいますので、感染症予防もしっかり行っていく必要があります。

  • 軽い動作でも息切れしてしまう

  • ちょっとしたことで咳が出る

  • 黄色い痰・粘り気のある痰が出る

  • 呼吸の際に、のどの奥からゼイゼイ・ヒューヒューという音がする

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断

上記のような症状がある場合には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性が高いので、早期発見のためにご相談ください。特にリスクが高い喫煙歴10年以上の方は早めの受診が重要です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)が疑われる場合、肺を出入りする空気の量や速度を測定するスパイロメーターによる検査を行って呼吸機能を評価します。一般的には肺年齢検査と呼ばれる検査になります。また、CT検査で肺の状態を詳細に把握する場合もあります。当院では、必要に応じて高度医療機関へご紹介させていただきます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療

喫煙している場合は禁煙が必要です。低下した肺機能を取り戻す治療法はありませんが、悪化を防ぎ残された機能を守る治療が可能です。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させないためにも、禁煙と適切な薬物療法が不可欠です。薬物療法では、気管支を広げて楽に呼吸できるようにする気管支拡張薬が使われます。内服薬以外に、吸入薬や貼り薬があり、患者さんの状態などに合わせて選択できます。肺の破壊が進んでいる場合には、酸素を供給する酸素療法を行います。
また、呼吸器に大きな負担をかける感染症の予防も重要になります。

気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の違い

気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最も大きな違いは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は進行性であるという点です。また、どちらも気管支が慢性的な炎症を起こして呼吸機能が低下しますが、気管支喘息はアレルギーが大きく関与しており、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙が最も大きな原因となっているという点も異なります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は日本だけでなく世界中で患者数が増加傾向にあります。咳や痰が増えるという症状からはじまり、時間をかけて徐々に進行して、息切れや息苦しさ、呼吸困難などの症状を起こし、最終的に必要な酸素を取り込めなくなり、亡くなってしまう方もいます。ゆっくり進行するので気付かないことが多く、肺炎が重症化してはじめて発見されることも珍しくありません。慢性閉塞性肺疾患(COPD)ではダメージを受けた肺組織が回復することはなく、適切な治療を受けなければ進行してしまいます。疑わしい症状がある場合には、できるだけ早くご相談ください。

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